こんにちは!
きみどりkyokoです。
今回の3日間の遠征で、様々な人と出会いお話を伺いました。
すこしずつ紹介したいと思います。
2日目大船渡。
演奏後にレンタカーを返し、宿泊先まではタクシーを利用しました。
そこで出会った運転手さんからお話を伺いました。
3.11の地震の際も、その運転手さんはいつものように出勤していました。
地震直後は運転手さんも避難をしたのですが、会社の規定で、津波が来そうなときはタクシーを高台まで運ぶというものがあるそうで、一回、沿岸の近くの職場まで戻ってきたそうです。
そのとき戻ってきていたのは自分以外にもう一人の同僚。
2人で「どうする?」という話をしているときに、背後からメシッ、バキバキという音が聞こえ、振り返るとどす黒くてものすごく高い、壁が見える。
最初はそれが津波だとわからなかったのですが、次第にその壁の上部分が手前に折れ曲がり始めたそうです。
津波だと認識してからは二人で1台ずつタクシーに乗り込み高台を目指すのですが、あちこちに車が乗り捨ててあったりでうまく前に進めない。
そうこうしているうちに後ろから津波が迫ってきて、同僚の車は何とか逃げ切ったが、自分の車は波で浮いてしまいました。
これは車から出なくてはと思い、出るとひざ上くらいまで浸かっていたそうです。
足を踏ん張っていないとバランスを崩して倒れてしまいそうで、前にも後ろにもなかなか進めない。
近くに非常階段が見えて、その先の倉庫の屋上では避難してる人たちが
「早くー!こっち来ーー!」と声をかけてきたが行きたくてもいつまでもたどり着けない状況。
そのうちに横から1台の車が流れてきました。
中には女性が二人固まって動けない様子。水に浸かっていて扉がまったく開かないところをなんとかこじ開けて、今度はその女性二人を両脇に抱えて、非常階段を目指します。
この二人を離したらどんなに楽かと何度も考えましたが、なんとか倉庫の屋上にたどり着き、津波から逃れることができました。
が、しかし今度はその倉庫の屋上も危なくなってきました。
幸いなことに、隣接した建物が2階建てで屋上付き。しかも2階部分にはまだ人がいました。
窓を割って、長机を3つだしピラミッドのように積み重ねて階段をつくり、そちらの建物に移動することができました。みんなが移ったすぐあとに今までいた倉庫は津波に飲まれたそうです。
その建物も2階部分の途中までは津波が押し寄せましたが、屋上までは達しなかったので助かったそうです。
津波はもうそれ以上大きなものは来なかったそうなのですが、次に吹雪が襲い、さらに引き潮では、人が流されている光景、車の中から「助けて」と手を振っている人たちをみたそうです。
今でも津波の映像は見ることができないとおしゃってました。
タクシーの中で貴重なお話を聞かせていただきました。